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by hinaseno
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アゲインで弦楽四重奏による小津安二郎の「早春」を聴く(4)


モーメント・ストリング・カルテットのライブが始まるまでにぜひやっておきたかったことのひとつが、アゲインのある武蔵小山の町歩きでした。いつのまにか武蔵小山(愛称はムサコ)という町を大好きになっていましたから。
武蔵小山には日本一長いと言われる商店街があって(大阪にも日本一長いと言われる商店街がありますが)、できれば端まで歩いてみようと思っていました。本当は商店街よりも路地好きなので、路地歩きもしたかったのですが、さすがに路地を歩くには暗くなりすぎていました。

商店街を歩く前に、石川さんに伝えなければならないことがあったのでアゲインに立ち寄ったら、入口は完全にロック。モメカルのリハが行なわれているので入室は禁止。どうしようかと思ったのですが、ご迷惑だとは知りつつ石川さんに電話をして、外に出て来ていただきました。
用件だけを手短かにお伝えして二階に上がろうとしたら、石川さんが「ちょっと」と手招き。厨房のある部屋に入れてくれました。そこのカウンター越しに見えたのがモメカルの練習風景。

以前から石川さんには、いろいろなアーティストのリハの演奏を生で見れる贅沢を何度もうかがっていて、とりわけモメカルのリハは何物にも代え難いことを聞いてはいましたが、その素晴らしさに言葉を失ってしまいました。実際に見たのはほんの数十秒のことではあったのですが、このときの時間が東京で過ごした中で最も強烈に印象に残るものでした。永遠の一瞬(モーメント)。今回、石川さんにはいろんな素晴らしいものをいただいたのですが、これは最高のプレゼントでした。

一言でいえば神々しい風景。
目の前で、生で演奏されているはずなのに、まるで何か別の巨大なモニターを通して見ているような感じ。音も目の前の楽器から奏でられているにもかかわらず、別の場所、天上から降り注いでくる感じ。
そう、僕はこのとき「倍音」を聴き取っていたんです。

数あるクラシックの演奏スタイルの中で、なぜ、ある時期から弦楽四重奏に強く惹き込まれるようになったのかということをずっと考えていたのですが、その答えを発見できたような気がしました。
弦楽四重奏には「倍音」があふれているんだと。
そして、それを聴いているときに得られる甘美な気持ちというものは何かにすごく似ていると思いました。
それは数時間後のライブのときに気づくことができました。
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by hinaseno | 2013-12-18 08:49 | 雑記 | Comments(0)