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by hinaseno
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ボストン・レッドソックスの帽子をかぶった女の子とキャロル・キングのこと


松井秀喜が引退してから、いや正確にいえば、彼が試合に出ることがなくなってから、野球を見ることがほとんどなくなっていたのですが、最近、久しぶりにわくわくしながら野球を見る日々を送っています。

ボストン・レッドソックスの上原浩治投手。
もともとジャイアンツにいたときも、松井とともに応援していた選手。
彼は松井よりもひとつ下で、はっきり言えば峠を越えた段階で大リーグに行きました。大リーグに行ってもけがばかりで、満足にシーズンを送ったシーズンがあったんだろうかと思うくらい。さらには先発をはずされて中継ぎ、セットアッパーとしてチームを転々。で、今年、レッドソックスの抑えとして大活躍。昨日はリーグ優勝決定シリーズで見事MVPを獲得。素晴らしいの一言です。

僕は以前、大リーグで一番好きなチームはドジャーズと書いたような気がしますが、その次に好きなのはボストン・レッドソックス。松井のいたヤンキースの永遠のライバルチーム。松井がいたときのヤンキースとレッドソックスのリーグ優勝決定シリーズは最高でした。どちらかがただ勝利すればいいというような気持ちを越えた闘い。もちろん僕はヤンキースを応援していたのですが、でも心の中で何度もレッドソックスに拍手を送っていました。
感情をあまり表に出すことをしない松井が同点のホームインしたときの、あの伝説のハイジャンプもこのときに起こりました。幸運なことに僕はそれを生(放送)で見ていました。

レッドソックスといえば、すぐに思い出してしまうのが村上春樹の『アフター・ダーク』。それからひとつの曲。「スウィート・キャロライン」ではありません。

『アフター・ダーク』の最初の方で、デニーズにいるひとりの女の子をとらえるシーンが出てきます。主人公の女の子ですね。
彼女はずいぶん熱心に本を読んでいる。ほとんどページから目をそらさない。分厚いハードカバーだが、書店のカバーがかかっているので、題名はわからない。真剣な顔をして読んでいるところを見ると、堅苦しい内容の本なのかもしれない。読み飛ばすのではなく、一行一行をしっかりと噛み締めている雰囲気がある。
テーブルの上にはコーヒーカップがある。灰皿がある。灰皿の横には紺色のベースボール・キャップ。ボストン・レッドソックスのBのマーク。彼女の頭には少しサイズが大きすぎるかもしれない。

この日本に、大リーグのチームの帽子、しかも有名なヤンキースやイチローのいたマリナーズではなく、ボストン・レッドソックスの帽子をかぶった女の子なんて(この小説が出たときに松坂は入団していたっけ?)、ちょっと普通では考えられない。ごく普通の女の子のようで、ちっとも普通でないんですね。でも、たったこれだけのことで、少なくとも僕はこの女の子のことを好きになってしまいます。

そのあとこんな場面が出てきます。
小さな音で店内に流れている音楽はパーシー・フェイス楽団の『ゴー・アウェイ・リトル・ガール』。もちろん誰もそんなものは聴いていない。

こんな場面で「ゴー・アウェイ・リトル・ガール(Go Away Little Girl)」を入れてるんですね。 曲を作ったのはキャロル・キング。僕の死ぬほど好きな曲。そして大瀧さんも死ぬほど好きな曲。
パーシー・フェイス楽団の演奏する曲であれば、有名な「夏の日の恋」でもいいような気もするのですが、どういう必然性で村上春樹はこんな曲を選ぶんだろうと驚いてしまいます。

というわけで、パーシー・フェイス楽団の「ゴー・アウェイ・リトル・ガール」を貼っておきます。本当はとても素敵な詞もついているのですが。
ボストン・レッドソックスの帽子をかぶった女の子だったら、きっとメロディが流れてきただけで、「あっ、『ゴー・アウェイ・リトル・ガール』!」と思ったに違いありません。
「ゴー・アウェイ・リトル・ガール」のことは、このブログでも何度か触れています。いつか改めて書いてみようと思っています。

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by hinaseno | 2013-10-21 08:07 | 雑記 | Comments(0)