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by hinaseno
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姫路の中の蒲田(2)


地名の由来を知るのは好きです。たいてい諸説あるのですが、どれもそれなりに根拠があって興味深い。実は、そんなもっともらしい根拠とは全く関係なく適当に決められた可能性もあるし。
大田区という地名が大森と蒲田の一文字をとって決めたっていうのも、相当イージーな感じがします。まあ、西区とか東区とかといった味も素っ気もないものよりはましとはいえ。

地名でもっともわくわくするのはやはりアイヌ語に由来するものが多い北海道の地名ですね。この日のブログで書いた場所の地名がアイヌ語で「夏越える沢道」という意味だなんてたまらなく素敵です。つい先日、ある方のブログで『北海道 駅名の起源』という本があることを知り、ああ、ほしいと思ってしまいました。

ところで東京の大田区の蒲田に関してもやはり地名の由来は諸説あるようです。平安時代の文献に蒲田という名前が見られるとのこと。かなり古い地名ですね。
ネットで見るとこんな説が書かれていました。

①湿地に人工的に造った乾燥地(陸地)を蒲地・蒲池(カマチ・ガマチ)といい、それが蒲田(カマタ)になった。

②この一帯が沼地で、泥深い田地を蒲田と呼んだことから。

③「飛び越えたところ」、「沼の中島」ことを意味するアイヌ語の「カマタ」から。

④蒲(ガマ)の茂る湿地、またそこを開墾した泥田、深田から。

湿地、沼地、あるいは泥という言葉が並んでいます。アイヌ語に由来する可能性もあるんですね。
小津安二郎の昭和7年の映画「生まれてはみたけれど」を見てみると、あの辺りには泥深い原野が広がっていたようです。そのイメージからすれば上の②が該当しそうな気がします。

さて、姫路の蒲田。実は結構広くて夢前川の西岸には西蒲田という地名もあります。姫路の蒲田はどうやら「カマダ」と読むようです。
先日、図書館に行ったら橋本政次著『昭和三十一年編 姫路市町名字考』(姫路市発行)というのがあって、その中に蒲田の地名の由来も載っていました。実は前から姫路の地名に関する本はいくつも見ていたのですが、蒲田まで書かれていた本ははじめて。
面白いことに、この本、その「蒲田」の所にだけ手書きで波線をひいたりふりがなをふったりしています。何百という地名の中でそこだけ。その人はいったいどんな関心でそれを調べたんでしょうか。

それはさておき、そこにはこんなことが書かれていました。東京の大田区の蒲田とはかなりちがっています。
「蒲田」は八幡八幡即ち応神天皇の御名誉田別命の「ホンダ」を「ホタ」と訓み、「発田」と書き、のち「蒲田」の字を当て、これを「カマタ」と訓んだ。あるいは元和年間飯塚五郎兵衛重次が夢前川の蒲原を開墾し、藩主本多忠政の命により「発田」を「蒲田」と改めて「カマダ」と訓んだともいい伝えている。

つまりもともとは「発田」という字が与えられていて「ホタ」と読まれていた場所だったようですね。ふ〜ん、という感じ。

ところで、木山捷平と関係の深い南畝町(のうねんちょう)。こちらの地名の由来は、へ〜え、という感じです。

「南畝町」は町が付く前は「南畝村」で、もともとは「長畝村」だったとのこと。播磨国風土記によれば、そこを流れる川を「長畝川(ナガウネガワ)」と言っていたようで、こんな伝説があるとのこと。

むかし賀毛郡(カモノコオリ、今の加西市の辺り?)の長畝村の人がこの土地にやって来て、この川に生えている菰(コモ)を刈り取ってもっていこうとしたら、この土地の石作連(イシツクリノムラジ)が、ちょっと待てと、それは俺たちのものだといってれを奪い取ろうとして争って、結局その人を殺してこの川に投げ捨てた。そこからこの川を長畝川と名付けたと。

ちょっとだけ脚色したのですが、何かせこい話ですね。で、その長畝川が流れた所にある村ということで「長畝村」となり、それが後につづまって「南畝村(ノウネンムラ)」となったのだろうということ。
名前の由来のもととなった長畝川って今もあるんだろうか。近くを流れているあの小さな川がそうだろうかと。死体が流れている姿を想像するのはいやですが、それにしてもせこい伝説。もちろん木山さんはそんなことを知らなかったと思いますが。
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by hinaseno | 2013-09-10 10:15 | 雑記 | Comments(0)