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by hinaseno
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タイタニック号に乗っていたわけではないけれど...。


今年の初め、父と一緒に、金山寺の前を通って岡山市内へ行くことがありました。旭川沿いのその道を通って父と岡山市内に行ったのは初めてだったかもしれません。

金山寺の三重塔が見えるあたりで、焼けた金山寺の話をしばらくしていたら、突然父親が、「あれ、おじいが建てた家じゃ」と一言。「あの黒い家」。

父の指差す方向には何軒もの家が建ち並んでいましたが、その黒い二階建ての家は目立つように建っていました。
僕が生まれたときにはすでに亡くなっていて、顔は写真でしか知らない祖父が父と同じ大工をしていたことは知っていましたが、まさかその祖父が家を建てていて、それが今も残っていたなんて思いも寄りませんでした。

祖父がその家を建てたのは戦後間もない時期。激しい空襲を受けた岡山市も戦後、あちこちで新たに家を建てるようになり、人手が足りなくなったようで、戦後は市内からかなり離れたところに住んで仕事をしていた祖父に声がかかったとのこと。
祖父はいろんな道具や材料を運ぶことも含めて、どうやってそこまで通ったんだろうかと考えると相当大変だったのではないかと思いました。事実、すでに戦時中に体を悪くしていた祖父にとっては相当にしんどい仕事だったらしく、さらに体調を悪化させることになり、その家が完成してまもなく亡くなったようです。つまりその家は祖父の唯一の遺作なんですね。父の話によれば今もそこに人が住んでいるとのことでした。

ちょっと立ち寄って見たい気もあったのですが、済ませなければならない用事もあったので、まあ帰りにでもと思っていたら、帰るときには土砂降りの大雨になったので結局その日は立ち寄らずに帰ることにしました。

で、先日、お盆に帰省したときにその家を見に行きました。これがその家の写真です。昔の岡山の民家に特徴的な、焼き板を壁に貼っているので黒く見えるんですね。
a0285828_852682.jpg

人が今も住んでいるという話でしたが、僕が行ったときには表札もなく、どうやら今は誰も住んでいないようでした。でも、つい先日まで人が住んでいた感じは残っていて、荒れた感じはありませんでした。むしろその後に建てられたはずの隣の家よりもしっかりした感じです。
北面の窓枠はサッシがはめ込まれていましたが、東面の2階の窓のあたりはおそらく昔のまま。そこから中をのぞくこともできましたがなかなかいい感じです。その窓からは旭川のゆったりとした流れを見ることができただろうと思います。もしかしたら北の窓から金山寺の三重塔を見ることができたかもしれません。

それにしても今に至るまで、こんなことも知らなかったなんてと思うと、本当に父親とろくに話をしてこなかったんだなと複雑な気持ちになってしまうのですが、いずれにしても祖父が建てたはずのもしかしたら唯一の家が今もきちんとした形で残っているなんて、僕にとっては奇跡のような気がしました。そこに住んでみたい気も少し。

そういえば昨日、「ゴー!ゴー!ナイアガラ」の細野晴臣が2度目にゲストに来ていた時の放送を聴いていて、ふと細野さんの祖父にまつわる話を思い出しました。僕はその話を何年か前の「徹子の部屋」を見て知ったのですが、いや、ほんとうにびっくりでした。

僕の祖父とはあまりにもスケールの違いすぎる話です。
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Commented by 39nemon at 2013-09-09 23:52 x
この家の写真見たことあるな~と思ったら、前に貼っていましたね。デジャビュかと思ったよ。
Commented by hinaseno at 2013-09-10 10:30
気づいてくれてありがとう。書けないままになっている話がいくつもあります。
Commented by 39nemon at 2013-09-11 00:25 x
ですよね。これからもたのしみにしています!
by hinaseno | 2013-09-06 08:54 | 雑記 | Comments(3)