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by hinaseno
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小津安二郎の「早春」と三石(その6)


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昨日予測した映画の最後の場面で上りの汽車が走る風景を撮った場所についての補足。
昨日も書きましたが、あの場所には前回三石を訪れたとき、最初に足を運びました。でも、あの方向に目を向けることはありませんでした。その理由は単純です。あの場所から見た上り電車は三石の駅から遠ざかるのではなく、三石の駅に”近づいてくる”ことになるからです。
「早春」では、あの場面が写る前に淡島千景がこうつぶやきます。

「行くわ、汽車」

「やって来たわ、汽車」ではなくて、「行くわ、汽車」。
つまり汽車は映画的には三石駅を出て遠くに去ってくことになっているのです。ですから僕はあの方向ではなく、三石駅から北の方向を眺めました。そして別の場所に行っても、やはり三石駅から北の方向の景色を探しました。そして結局あの映画の風景を見つけることができませんでした。
あの方向は自分にとって盲点だったのです。映画的に三石から汽車が遠ざかっていく風景がとれる場所ではないと。

改めてあの下宿から眺めた汽車の走る風景を。a0285828_19464521.jpgやはり遠ざかって行くようにしか見えません。さて、ここには何らかのトリックがあるのでしょうか。あるいは単に「行くわ、汽車」という言葉の後に出てきた風景なので、実際には汽車は三石に近づいて来ているのに、汽車があたかも三石から遠ざかって行くものとの思い込まされたのか。

この疑問は一週間後に三石に行ったときに解決されるのか、あるいは全くあてがはずれてあの風景を見つけることができないのか、さてどうなることやら。

ちなみに映画では最後に、三石の煙突をとらえた風景が2つ映し出されます。a0285828_19492345.jpgこれがその最後のものです。「早春」で最後に映し出される三石の風景。
最初に三石が映し出された時の陰鬱な感じとは違って、明るく力強く、どこか希望にあふれたものの象徴として煙突がとらえられています。
モクモクと黒煙を吐き出す1本の煙突。背景は間違いなく"青空"。空には雲が半分写っていますが、雲はどんどんとれています。この場面の背景は絶対に青空でなくてはなりませんね。

最後に今年の夏、快晴の日に僕がとった三石の写真を。
まずは三石駅のホームからのもの。ここに写っている2本の煙突が、あの池部良の下宿のあった家の背後に写っている煙突です。
a0285828_19521778.jpg

これは石段の下から駅舎をとらえたもの。赤い屋根が印象的ですね。
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次は昭和初期に作られた三石小学校。すばらしすぎて言葉が出ませんでした。
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これがその校舎の階段。そうじ道具やスコップが並んでいます。
a0285828_19595634.jpg

最後はやはり四列穴門ですね。ただしこの写真だけは別の雨の日に撮ったものです。ここだけは雨の日に撮ったものの方が雰囲気がありました。
a0285828_2035290.jpg

いつか機会があったらぜひ見に行ってみて下さい。きっと、町のこと、好きになると思います。

では、三石のことに関しては1週間後に。
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by hinaseno | 2012-09-16 20:02 | 映画 | Comments(0)