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Talks About Music, Books, Cinema ... and Niagara


by hinaseno
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ある本屋の話(最終回)



Y子は古本屋である。古本屋と云つても、わづか五坪にも満たない小さな二階の部屋を借りて、主として絵本で生計を立ててゐる。
この小さな町に来て、いまの場所に店をあけてからちょうど六年になるが、来る日も来る月も、本を磨いたり、本を並べ替えたりする、同じやうなY子の姿が見られるばかりで、この小さな古本屋の店にはすこしも変化が見られなかつた。

小山清の「ある靴屋の話」の「靴屋」をおひさまゆうびん舎に変えたらこんな書き出しになるでしょうか。部屋の坪数は適当です。

実際にはこの数年間、とても大きな変化が起きているおひさまゆうびん舎。すべては店主の窪田さんの努力のたまものですね。「ある靴屋の話」の最後の言葉を使えば、


自分にはこのY子の真似はとても出来ないと思つたのである。


さて、「ある本屋の話」と題された世田谷ピンポンズさんのライブ。1曲目は「春」。ピンポンズさんのファーストアルバム『H荘の青春』の1曲目に収録された曲。今年は『H荘の青春』が出てちょうど5年目ということでそれにからめたイベントも東京で行われるとのこと。ということで、『H荘の青春』の中からの曲や東京に関する曲が多く歌われていました。今回のライブは歌われたのは全部で20曲くらいだったでしょうか。アルバムに収録されていない曲も含めてライブでは初めて聴く曲がいっぱいでした。

とりわけ良かったのが『H荘の青春』のタイトル曲でもある「H荘の青春」。ずっと前にこのブログで書いていますが『H荘の青春』を初めて聴いたときにいちばん気に入ったのがこの曲でした。特にイントロが好きです。

今回披露されたのはアルバムに収められたものとは詞が少し変えられたヴァージョン。それほど大きく変えられているわけではありませんがずいぶん印象が違うのに驚きました。たぶん変えられたヴァージョンの方がより多くの人(特に女性)に愛されるはずなので、今後は新しいヴァージョンで歌われた方がいいように思いました。

この日初めて聴いていちばん気に入ったのは「東京、東京」という曲。これは新しい曲とのことなので、ぜひ次のアルバムに収録してもらいたいと思いました。


さて、姫路のライブといえばすっかりお馴染みの曲が、お馴染みのMCとともに披露されました。

ピンポンズさんの指差す方向に流れている川。そう、「船場川」です。

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考えたら今年は木山捷平が「船場川」の詩を書いてちょうど90年目。木山さんは昭和2年の3月31日付で姫路の荒川小学校の教師に任じられているので、90年前の今日ぐらいに岡山の新山から姫路にやってきていたかもしれません。

ぜひこれを機に「船場川」にかかる橋でピンポンズさんの歌う「船場川」を流してほしいものです。


ところでピンポンズさんのライブはおひさまふふふフェスティバルからほんの1週間後のことなので飾り付けはそのままにしておけばいいのにと思っていましたが、ライブのために新たな飾り付けをいっぱいされていました。

改めて、


自分にはこのY子の真似はとても出来ないと思つたのである。


心からそう思います。

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# by hinaseno | 2017-03-29 12:08 | 雑記 | Comments(0)

ある本屋の話(その3)


おひさまゆうびん舎の6周年記念のイベント「おひさまふふふフェスティバル」にサプライズで登場した世田谷ピンポンズさんが1曲目に歌ったのは「早春」。考えてみると、この曲は5周年のイベントの時に初めて披露されて、窪田さんをはじめだれもが感激した曲。おひさまゆうびん舎がなければ生まれなかったはずの曲ですね。本当にいい曲。ピンポンズさんに合わせて歌っている声があちこちから聞こえてきました。

そして次に歌われたのが「純喫茶ルンバ」。

曲の題名を聞いていちばん興奮していたのが窪田さん。

この曲、昨年の12月に純喫茶関係の本をいくつか出されている難波里奈とのイベントのためにピンポンズさんが作られたそうですが、なぜかそのイベントでは披露できないままで終わったようです。でも、ひと月ほど前ににその曲のデモがSNSでアップされて、窪田さんがすごく気に入っていたんですね。

それにしてもピンポンズさんのライブはそもそも高橋さんのためのサプライズということだったのにそのサプライズを仕掛けたはずの窪田さんがいちばん驚いて感激されていたという予想通りの展開に…。微笑ましいというかなんというか。

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で、最後の3曲目は「わが町」。この曲、何度聴いても泣けます。


ところで、幸運なことにピンポンズさんの演奏をそばで聴けたので、ちゃっかりピンポンズさんの楽譜をのぞきこんでしまいました。以前にある程度聞き取りはしてたんですが、こんなふうに楽譜も完成。最近はこればっかりギターで弾いています。

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さて、この日のイベントの最後はじゃんけん大会。なんとこれに優勝してしまいました。日頃はからっきしじゃんけん弱いのに。

持ってますね。

ということでこの日来られた3人のサイン&イラストつきの重版バックをいただきました。

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この日のイベントの主役の方々。本当にありがとうございました。

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# by hinaseno | 2017-03-28 12:31 | 雑記 | Comments(0)

ある本屋の話(その2)


3月16日におひさまゆうびん舎で6周年記念のイベントが行われ、それに参加させていただきました。ゲストは夏葉社の島田潤一郎さんと絵本作家の高橋和枝さん。このお二人がいなければ、お二人によって作られた『さよならのあとで』がなければ今の自分はどうなっていたんだろうと思ってしまうくらいに僕にとっては大切な存在な人。窪田さんからお二人が来られると教えてもらったときからドキドキワクワクでした。


さて、お二人の対談。

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『ノーラ、12歳の秋』、『きれいなココロとカラダって?』に添えられた高橋さんのイラストを示しながら島田さんの部屋の「半径3メートル」から始まる物語が語られます。終始和やかな雰囲気の中、高橋さんが島田さんから最初のメールを受けたときは、その丁寧な言葉遣いからもっと年配の人だと思ったとか、制作過程の中で島田さんは高橋さんから断りの連絡が来るのではとずっとびくびくしていたとか、次第に二人が会うときには島田さんが恋愛相談をするようになったとか、なかなか順調には進まなかった制作の話が語られていました。でも、そこで島田さんが学んだことも多くあって、夏葉社の最新作である『美しい街』(尾形亀之助 著  松本竣介 画)は『さよならのあとで』のスタイルをそのまま使ったとのこと。

この本は、この日におひさまゆうびん舎で買ったんですが装幀も含めてなにからなにまで本当に素晴らしいんですね。しかもイラストはこのブログでも何度も書いてきた僕が最も好きな日本の画家である松本竣介! すごい。 

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島田さんは高橋さんともう一度何かをやってみたいと、あのような(試行錯誤の連続であったはずの)本づくりをもう一度やってみたいと語られていました。ぜひ実現させてほしいですね。

対談の後、島田さんと高橋さんから次に出る作品の話を少しうかがいました。島田さんからは以前話されていたものがついに来月出ると。そして高橋さんからも絶対に好きになるような絵本の話を。どちらも心から楽しみにしています。


お二人の対談が終わってからはサプライズの連続。まず窪田さんが一冊の本の読み聞かせをされました。『よかったねネッドくん』という絵本。幸運と不幸が次々にやって来る話ですが、いや面白かったです。こういうの子供は大喜びだと思うけど、大人も十分楽しめます。

で、今日はネッドくんの誕生日だったというオチから、実は明日(3月17日)は高橋さんの誕生日ですということになって、おひさま音楽隊の方々が「ハッピー・バースデイ」を演奏。そしてその次にサプライズ・ゲストとして登場したのがなんと世田谷ピンポンズさんでした。実はピンポンズさんはそれまでずっと僕のそばに座って島田さんと高橋さんの対談を聞かれていたのでちっともサプライズじゃなかったけど。


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# by hinaseno | 2017-03-27 12:53 | 雑記 | Comments(0)

ある本屋の話(その1)


まずはこの写真から。

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左に首を傾げてギターを弾いているのはもちろん世田谷ピンポンズさん。いい表情ですね、バックにはたくさんのくまくまちゃん。場所はもちろんおひさまゆうびん舎です。


昨日は姫路のおひさまゆうびん舎さんで行われた世田谷ピンポンズさんのライブに行ってきました。ピンポンズさんのライブは昨年12月以来3か月ぶり…いや、正確には一週間ほど前にシークレット(?)のミニ・ライブがありました。

今回のライブのタイトルは「ある本屋の話」。このタイトルを聞いて僕はすぐにピンとくるものがありました。これは小山清の短編のタイトル「ある靴屋の話」からとられたにちがいないと。

「ある靴屋の話」というのは小山清の『日日の麺麭』に収録された話。ただ現在講談社文芸文庫から出ている『日日の麺麭/風貌 小山清作品集』には収録されていないけど。

実は僕が小山清で最初に読んだ作品はもちろん「落穂拾い」でしたが、その次に読んだのが「ある靴屋の話」でした。

おひさまゆうびん舎に行くようになってまもなく窪田さんから貸していただいたのが『小山清全集』でした。「落穂拾い」以外は何も知らなかったので、とりあえずずらっと並んだタイトルで心が惹かれたものから(結構多くありました)読んでみようと思って、まず最初に選んだのが「ある靴屋の話」でした。これがよかったんですね。絵本にしてもいいような話。こんな書き出し。


兼吉(かねきち)は靴屋である。靴屋と云つても、わづか一坪にも満たない小さな床店を借りて、主として修繕もので生計を立ててゐる、しがない職人である。年は四十になるが、まだ独りものである。顔にすこし痘痕(あばた)のあとが見える。身寄りもたよりもない。この小さな町に来て、かれこれ六、七年になるが、いまの場所に店をあけてから、来る日も来る月も、靴底を叩いてゐたり、縫針を動かしてゐたりする、同じやうな兼吉の姿が見られるばかりで、この小さな靴屋の店にはすこしも変化が見られなかつた。

で、最後はこんな終わり方。


けれども、自分にはこの兼吉の真似はとても出来ないと思つたのである。

これを書き写しながら今、ふと思いついたのですが、これに絵をつけて1冊の本を出すというのもいいかもしないなと。とするならば、絵を描いてほしいのは高橋和枝さんしか考えられないし、出版社はもちろん夏葉社。島田さんに提案してみようかな。

それはさておきこの「ある靴屋の話」は窪田さんも大好きだったようで、これのコピーをずっと以前にピンポンズさんにも渡していたそうです。たぶんピンポンズさんもこの作品のことを心にとめられていたようで、それで今回のライブのタイトルになったみたいですね。

いいタイトル。これだけで心ときめくものがありますね。


さて、ピンポンズさんのライブの話。でもその前に、先週の3月16日に行われたおひさまゆうびん舎6周年記念イベントの話から始めようと思います。そのイベントのタイトルは「おひさまふふふフェスティバル」。「ある本屋の話」はそこから始まっていました。


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# by hinaseno | 2017-03-26 16:22 | 雑記 | Comments(0)

いつか行けたらとずっと思い続けているのが京都の善行堂さん。その善行堂からつい先日届いたのが岡崎武志さんのこの本。タイトルは『詩集 風来坊ふたたび』。

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袋から取り出して、まず、その素晴らしい装幀に目を奪われてしまいました。装幀をされたのはこのブログでも何度か紹介した林哲夫さん。表紙等の写真も林さん。さすがにどれもいい写真です。出版社は善行堂。古書善行堂出版の第一号とのことです。送られてきた本には著者の岡崎さんのサイン&イラストが入っています。

タイトルに「ふたたび」とあるのは10数年前に『詩集 風来坊』を出されていたため。個人的にはタイトルに「ふたたび」(=again)とあるだけで親しみを持ってしまいます。収められた作品はシリーズとなっていて、タイトルとともに「風来坊11~29」の番号が振られています。全部で19編。


岡崎さんのあとがきによると「おそらく二十代後半の若者が、たった一人で日本国中をあてどなく旅している。いつもお腹を空かせ、胸には愁いを帯びている。シリーズ「風来坊」は、そんなシチュエーションに我が思いを仮託した詩編」とのこと。

本当はゆっくりと読むつもりでしたが、結局一気に読んでしまいました。ちょっとしたロードムーヴィーを見たような気分。名所と呼ばれるような場所は出てこない。それでも不思議にいくつかの風景が心に残っています。時間を間違えて列車に乗り遅れ、仕方なくホームのベンチに座ったらそこに一冊の文庫が置かれてあった話とか、あるいは村人たちに聞きながら書き上げた手書きの地図を雨で濡らしてだめにしてしまった話とか。

詩集を手に入れる前に善行堂さんのブログで、この詩集に収められたいくつかの詩に世田谷ピンポンズさんが曲をつけられたという話を読んでいたので、いったいどの話に曲をつけられたのだろうと思いながら読んでいましたが、実は僕の頭の中にずっと流れていたのはこの「風来坊」という曲でした。




はっぴいえんどの3枚目のアルバム『HAPPY END』のA面1曲目に収められた曲。作詞作曲は細野晴臣さん。実はこのアルバムは持っていなくて僕が持っている音源は『HOSONO BOX 1969-2000』に収録されたもの。なんで「風来坊」という歌詞の曲を書いたのか気になって、細野さんが楽曲解説を読んだらこんな興味深いことが書かれていました。


誰にも言ったことはないけど、「風来坊」の元になっているのはディズニーの「三匹の子豚」なんだよ。その英語のうたを聴いた通りに”風俗 低俗 風来坊”ってなっているんだ。でも、他の部分はどうしても詞ができなくて、”ふらりふらふら風来坊”っていうので押し通しちゃった(笑)。困ってこうなっちゃたんだよ。イイやって。

で、ディズニーの「三匹の子豚」を聴いてみたら、なるほど!でした。これですね。主題歌のタイトルは「狼なんか怖くない (Who's Afraid of the Big Bad Wolf)」。




曲の最初の♫Who's Afraid of the Big Bad Wolf♫の部分。確かに♫風俗 低俗 風来坊♫と聴こえなくもない。「Big Bad Wolf」を「風来坊」と聞き取るのは苦しいけど、でもメロディーはほぼ同じ。

それにしても細野さんって以前紹介した『白雪姫』の♫ハイホー♫

といいディズニーの映画にかなりの影響を受けてるんですね。


さて、ピンポンズさんは岡崎さんのどの詩に、どんな曲をつけたんでしょうか。


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# by hinaseno | 2017-03-25 10:13 | 雑記 | Comments(0)